早朝から隠れてゲームをする少年。そんなものはお見通しの母。少年は、しかたなく中断し下階へと降りていく。ゲーム機の電源は入れたまま――。
作品設定 -仮想追従-【人物・舞台・用語etc】
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作品概要 / 登場人物 / 舞台背景 / 用語
– 作品背景 –
1990年代の日本、総量規制が行われずバブル崩壊が起きなかった世界。行き過ぎた不動産価格の高騰を危惧する声の高まりはやがて市場気運を反転させ緩やかな景気後退は起こすものの一定の堅調さを保っていた。
そんな平和な日本で健やかに育った少年『ソラ』がいた。大好きなゲームは日々新作が売り出さるたびグラフィックの進化を体感できるほどで、一方で数年前に発売されたゲームが大量にあり、その進歩をその身をもって感じられるゲーム黄金期の中で育つ。
ソラが大人になる頃、堅調に推移する経済の中で公務員の人手不足が叫ばれる世情にあり、特に危険を伴う警察官への道を歩む若者はことさら少なく、学校などの公共施設には警察官募集のポスターがベタベタと貼られていた。
卒業をまじかに控えたソラの元に、かつて父親の上司だったという男が現れ、警察官へと誘う。特に進路のことなど考えてはいなかったソラだが、男の「2年だけでもいいからやってみないか。お父さんの職場を見てみるのも面白いはずだよ」という言葉に惹かれ警察官になることを選択するのだった――。
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– 登場人物 –
登場人物 01ソラ(箱中 空)
幼いころに警官だった父を亡くし、高校を卒業すると父の上司だったという人の誘いでお巡りさんになってしまった若者。どういうわけか直属の上司には疎まれている一方で、妙齢の女性たちには受けがよく『ソラちゃん』と呼ばれ可愛がられている。
ゲーム好きで、暇さえあればゲームセンターアルカディアに通う毎日。最近では対戦格闘ゲーム『滅拳』をやっている。ゲームプレイヤーとしては、攻めより守りに重点に置くスタイル。攻めの強い滅拳では勝率はあまり高くないが、勝敗にこだわっていないわけではなく、単純にこの方が“長く遊べる”というのが理由。その背景には幼少期に家でゲームができず、友達の家でプレイするしかない環境下で染みついたゲーム弱者なりの処世術が影響している。プロゲーマーを目指す友人のカズキの練習相手兼研究攻略要員として日々付き合っている。
カズキ (大林 一輝)
ソラの同級生。プロゲーマーを目指し日夜ゲーセン通いをしている。
ソラが警察官になると言い出したので便乗して警察官となった。その理由として2年で退職金が出る(作中では警察官の募集強化がはかられ金額が高くなっている)+警察官だったという経歴なら潰しがきくと聞きプロゲーマーを目指す上でのリスクヘッジとして考えた。技のイッキを自称し、プレイヤーネームは大木林一機を名乗っている。
おじさん(小野日 徹)
お巡りさんの中でもとりわけ偉いお巡りさんのおじさん。警察官の人的被害を軽減すべく、機械車両の導入を目指しており、小回りのきく軽装甲車両を使用する新しい課を設立させようと動いている。
殉職したソラの父親の上司であり、若い頃に過激運動を繰り広げた学生たちが山荘に籠城した事件にて同僚を亡くしている。
小野日さん(小野日 杏子)
警察組織で新しく配備される車両や機器、支給品の管理を担当している女性。新しく持ち込まれた軽装甲車両の操作マニュアルが難解だったため現場で使う簡易マニュアル作成の協力を打診したところソラがあてがわれた。
課長(山崎 オサム)
ソラの上司だが上層部から『絶対に怪我などをさせるな』という含みを受けており、他部署からの応援などの危険度の高い業務から外させる他なく、使いにくいソラを疎ましく思っている。
お母さん(箱中 幸子)
ソラの母親。ソラは手のかからない子だったが、反抗するわけではないものの従順でもなくそれなりに苦労をしてきた。警官になることには反対だったが、ソラは勝手に決めてしまい、また1つ心配の種が増える事になる。
夫の葬儀に絡むことで心ないことを言われるのを嫌い、新築だった家を引き払い働きながら女手ひとつでソラを育てた。
シンサクさん(坂井 晋作)
おもちゃ屋シンサクの二代目店長。気さくなおじさんで、いつもオーバーオールを着用している。ソラを子供の頃から知っており、彼が気に入るゲームは中古価格が大きくは下がらないというジンクスがあるので、それを参考に仕入れをしている。本人には内緒。
オミさん(オミ セマス)
ゲームセンターに現れ、市場調査をしているという男。その正体は格付け会社『ムーン・ザイエ』のコンシュマーゲーム評価部門のリクルーター。ゲームセンターなどを渡り歩き、めぼしい若者をスカウトしているが、会社の業務以外にも独自のツテでアルバイト紹介や人材紹介サービスをしている。 人懐っこくスマートな雰囲気とは裏腹にけっこうな野心家。
海野さん(海野 康利)
週刊誌の記者で14年前に起きた『大使館襲撃事件』を追っている。その事件で殉職した警官の遺児で機械車両の導入を目指す新課設立の動きの中にいる箱中空に目をつけ接触を図る。一発逆転のスクープを狙うため酒の席で先輩が口にした大使館襲撃事件の真相という話を真に受けて行動している。
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– 舞台背景 –
舞台 01アルカディア(ゲームセンター)
ソラとイッキが出入りする小さなゲームセンター。ゲーセン激戦区の中にあるが、流行りのゲーム筐体の数が少なく流行っているとはいえない。主に他ゲーセンでしのぎを削るプレイヤーたちが秘密のネタを試しに来たり、コソコソと人目を忍んで練習しにくる『コソ練』するための穴場的なゲーセン。隣接するおもちゃ屋兼ゲームショップ・シンサクの店主が経営している。
店主は経営のため流行りの対戦型筐体を大量にいれたいと考えているが、幼いころから知るソラとイッキに「対人ゲームが流行ったゲーセンは必ず潰れるよ」と不吉な予言をされており、いまは思いとどまっている。
おもちゃのシンサク(玩具店)
ソラが贔屓にしているおもちゃ屋兼ゲームショップ。子供用玩具に始まりファミコンの中古取り扱い店として軌道に乗り、今ではプラモデル、フィギュア、遊技カード、家庭用パチンコ台なども取り扱っており、ゲーム機の本体や周辺機器の修理もこっそりと請け負っている。
謹慎中のソラが壊れたゲーム機(プレイキューブ2)を修理に持ち込むが、そこで人材派遣リクルーターのオミ・セマスに会う。
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– 用語 –
用語 01交流ノート(ノート)
ゲーセンに置いてある普通のノート。ゲーセン内の交流や、落書き帳として使われる。
特にシューターや音ゲー、格ゲーの攻略情報などが書いてあったりするが、他店舗をホームにするプレイヤーが遠征に来た際に、「ここのやつ雑魚いな」などと書き残し、血で血を洗うゲーセン間戦争のトリガーとなることもあった。
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